メンタルヘルスプラットフォームオンラインメンタルヘルスプラットフォーム(KOKOROBO-J)の開発と社会実装

不登校の子供を持つ親にもサポートを

投稿:2023/10/31

更新:2023/12/06

子育て

不登校の小中学生は過去最多

文部科学省が実施した2022年度の「児童生徒の問題行動・不登校調査」※1の結果が2023年10月3日に公表されました。この調査によると、不登校の小中学生が過去最多の約29万9千人となり、前年度に引き続き大幅増加となっています。

日本の小中学生の人数は2020年度の学校基本調査では約630万人とされ、不登校の小中学生は約5%にあたります。

生徒数30人のクラスでいえば、そのうち1.5人が不登校。学校内外の専門機関に相談をしていない児童生徒は過去最多の約11万4千人。いじめは小中高校などで約68万2千件が認知され、被害が深刻な「重大事態」は923件。いずれの結果も過去最多です(10月3日朝日新聞デジタルより)。

 

※1児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査 文部科学省  

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm

 

対応をする親も「しんどい」

「明日学校行くの、やだなあ」。このセリフは子供を持っている親御さんは、一度は聞いたことがあるのでは。4人の子供を抱える私も、どの子供からも一度は聞いています。一定の期間、毎日1時間に数回聞かされることもあります。

そのたびにうんうんと話をきいたり、なだめたり、すかしたり。ときには週末のお出かけや食べもので釣り、おどしを交えることも。

学校に行きたくない理由は、たとえば「明日着たい服が洗濯中で着られない」など親からすれば、「え?」と思うようなものもあれば、結構重大なことまで、さまざま。何が正解かはわからない。でも対応をする親もそれなりにしんどいのは確かです。

 

メンタル・ウェルビーイングを保つために

私は精神科医という仕事柄、周囲から得られる情報には事欠きませんが、それでも、どの情報が正しく、どの介入方法が正しく、支援団体がどの程度信頼できるのか、インターネットを見ながら迷う日々です。

そんな迷いや悩みを周囲の人に少し聴いてもらえるだけでも心が楽になります。

解決方法がなくてもいい。ただ、騙されないような、搾取されないような、相手に過重な負担をかけないような、自分自身をサポートしてくれる空間が欲しい。自分がどのくらいストレスフルになっているのか、把握できるような温度計が欲しい。

「KOKOROBO-J」はメンタル・ウェルビーイングを保つための道具が詰まっている宝箱。そんな空間を作り上げていきたいと思います。

著者の画像

吉見 明香

横浜市立大学附属市民総合医療センター精神医療センター
専門分野:精神科リハビリテーション、精神腫瘍学、周産期メンタルヘルス

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